【完】ある日、恋人を購入した。


尚叶くんはそう言うと、あたしに目を遣った。



「!」

「あ、ほら…せっかくだし」



尚叶くんはそう言って冷蔵庫にある材料を出して並べるけれど、

彼女(仮)が料理ほとんど出来ないって、どうなんだろうか。

もし、あたしが尚叶くんを購入すると言っても、きっと尚叶くんは断ったりとか出来ないんだよね?

………なんか申し訳ない。


あたしはそう思うと、「何作る?」って考えている尚叶くんに言う。



「…尚叶くんって料理できるんだ?」

「うん、一応は。だって一人暮らしだし」

「え、でも、あたしは出来ないよ」

「!」



あたしはそう言うと、なんとなく尚叶くんから離れるようにして一歩後ずさる。

だけど、そんなあたしの言葉に納得がいかないらしい尚叶くんが、「え、でも」とこの前のことを口にした。



「…友香のマンションに行った時は和風パスタ作ってたじゃん。あとサラダ」

「いや、ほら、だってあれは簡単なものだし。ってか、あたし麺類しか作れないの。ごめんね」



そう言って、今日は尚叶くんに任そうとするけれど…