【完】ある日、恋人を購入した。


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翌日。

あたしは会社の屋上で、休憩中に一緒にいるみきほさんに言った。



「…尚叶くんがよくわかりません」

「え、」

「イマイチ、何を考えてるのかわからないっていうか…」



あれから、マンションに帰ったあたしは、結構モヤモヤしていた。

このお試し期間、ただでさえ短いからよく尚叶くんのことが知りたいのに、なかなか満足に知ることが出来ないから。


一見、尚叶くんってクールで無愛想だけど、実際は結構優しい印象で。

三日間一緒にいてみて、下心もなくて普通にいられるのが心地よかったりはした。

あたしの家でまったりしていたあの夜、尚叶くんはあたしが作った料理を食べて、テレビゲームで対戦して…それからは「明日もお互い仕事だから」って帰ったし。


とりあえず、誠実なのはわかった。

わかったんだけど…。


すると、そう思って「ハァ」とため息を吐いてしまうあたしに、みきほさんが言う。



「それは…トモちゃんが尚叶くんにどう思われてるかってこと?」

「んー…」