そして、お店を出た後も尚叶くんがあたしを真っ直ぐにマンションまで送ってくれた。
きっと、尚叶くんはマメなんだ。
だって…
「…明日は、どこに行きたい?」
「え?えっと…」
「…」
あたしが車から降りる前に、そう言ってあたしの答えを待つ。
このお試し期間中の一週間、あまりにも短すぎてお互いのことがよくわからないから、尚叶くんはあたしに「出来るだけ毎日逢おう」と言ってくれた。
お互いのことを、もっとよく知りたいから。
けど…
今日で、尚叶くんと会って早三日目。
あんまり知れていない気がするのは、どうしてだろう。それとも、こんなもんかな。
だからあたしは、出来るだけ、尚叶くんのことがよく知れるような場所を考えてみた。
…とは言っても明日も仕事だし、時間だって限られてる。
あ、そうだ。
「じゃあ、今度は尚叶くんの家に行ってみたい」

