【完】ある日、恋人を購入した。




…………


今日は中華が食べたくて、あたしはその後尚叶くんに中華料理屋につれていって貰った。

あたしは美味しい中華料理屋なんて知らないからどこでもよかったんだけど、

尚叶くんがオススメのお店があるらしくて、車に数十分くらい揺られてそこに着いた。



「…こんなとこあったんだね」

「友香、初めて?」

「うん。初めて来た」



尚叶くんがオススメの中華料理屋さんは、外観からしてもうオシャレで、この前のイタリアンレストランの時と同じだ。

尚叶くんは本当に、オシャレなお店を知ってると思う。

早速お店の中に入ると、入口でもう美味しそうな匂いが漂ってきた。


ああ…お腹すいた。


そして店員さんに案内してもらって個室に入ると、二人きりになってあたしは尚叶くんに言う。



「…じゃあ尚叶くんは、ここ初めてじゃないんだ?」

「ん?…うん」

「へぇ。じゃあオススメは?」



尚叶くんの反応が少し怪しい気がしたから、つい意地悪くそう聞いてみると、

今日は尚叶くんはあたしの問いかけに直ぐに答えてくれた。



「これ」

「!」



…小籠包。