【完】ある日、恋人を購入した。




…………


…その夜。

あたしは仕事から帰ると、尚叶くんが来る前に急いでリビングに掃除機をかけた。

そして目立つところに干してある洗濯物を寝室へと移動させると、とりあえず綺麗になったリビングを見渡す。


…うん。まぁこんなもんかな。


で、晩ごはんもまだだし、それはきっと尚叶くんも同じだろう、とあたしは慣れない手つきで晩ごはんも作り始める。

簡単な和風パスタ。…パスタとかの麺類しか作れないんだけどね。


鼻歌を歌いながら和風パスタに入れるキノコを切っていると、あたしはふと昼間アケチくんから聞かされた自慢話を思い出した。


…そういえば、アケチくんの話。

いつも「ああ、またか」と思いながら聞かされてるんだけど、よくよく考えてみればアケチくんの彼女さんは幸せ者だよなぁ。

だってあんなに愛されてるんだし。まぁいろんな人に自慢されるのは恥ずかしいだろうけど。


で、そう思いつつ…もし、尚叶くんがあたしをそんなふうにしてくれたら…と考えてみる。

けど……ああ、そんなこと気軽に言えるようなタイプじゃないか。


本当はそう言うのも憧れるけど、尚叶くんはないなって諦めた。

……じゃあ、有唯くんは。



…すると、その時。



「!」