【完】ある日、恋人を購入した。


「…今度は何の自慢なの」



そしてそんなアケチくんにあたしが冷たくそう言うと、奴はあたしの向かいの椅子に座って、言った。



「自慢じゃないよ、報告!」

「…イラネー」

「まぁまぁそう言わず聞けって。すげーんだよ俺の彼女」

「そう言うのは男に言えば?」

「お前バカか!男に言って惚れられたらどうすんだよ!」



アケチくんはそう言うと、また、いつもの通りにあたしに彼女の自慢話をあたしに話し始める。

…ってか、ほんと、あたしにそういうの言ったってねぇ?

「あ、そう」としか言えないよ、マジで。

彼女が昨日あんな料理を作ってくれた。マジ天才、とか…

家事が完璧すぎてヤバイ、とか。

そんなの、あたしが聞いて何の得するんだって。


そして話を聞くこと数十分。

ようやく話し終えたらしいアケチくんに、あたしはため息を吐いて言う。



「…満足?」



アケチくんはその問いに嬉しそうに頷くと、また、他の社員の元に走って行って、彼女の自慢話を始めた…。

…ま、いいんだけどね。悪い奴ではないんだし。