【完】ある日、恋人を購入した。


…………


「…ハァ」



お昼の休憩中。

食堂でコンビニのお弁当を食べ終えたあと、あたしはスマホを見ながら独りため息を吐いた。

その画面に表示されているのは、アドレス帳。

そして、“有唯”くんの名前。


今朝、みきほさんと話したあたしは、シュウさんからの商品とお客さんは「全員成功してる」という言葉を思い出して、

「だったら」といつまでも中に入っている有唯くんのアドレスを消そうと試みた。


でも…さっきからなかなかあと一歩が踏み出せず、またあたしは消せないままスマホを閉じる。

ああ、情けない。でも、わかってる。

そういうのは時間が解決してくれるって。……もう三年も経っちゃってるけど。


そしてあたしが独りぼーっとしていると、そこへ同僚の“アケチくん”が声をかけてきた。



「おい、生田」

「?」



アケチくんは複数いる同僚のなかのムードメーカーで、だけどつい最近彼女ができたのをいいことに、最近じゃ彼女の自慢ばかり話してくる。

特にあたしを相手に。本人によると、恋人がいない人に言うのが凄く楽しいんだとか。

最低な悪魔だよ、ほんとに。