【完】ある日、恋人を購入した。


あたしがそう周りに聞こえないように小さな声で言うと、みきほさんは「へぇ~」ってからかいの笑みであたしを見つめる。

…なんか恥ずかしいな。

まぁ、まだ購入してないから(仮)状態なんだけど。


そしてあたしがそう言おうとしたら、その前にまたみきほさんが言った。



「良かったじゃない、トモちゃん」

「あ、はい。まぁ…でもまだお試し期間…」

「きっと、“尚叶”も大事にしてくれるよ。トモちゃんのこと」

「!」



みきほさんはそう言うと、「じゃあ急ぐから」と先に行ってしまう。

一方、そう言われたあたしは少し驚いて、思わずその場に立ち尽くしてしまった。


…みきほさん、あたしの相手が尚叶くんだって知ってるんだ。

何で?それもシュウさんから聞いたのかな?


それにみきほさん、尚叶くんのこと呼び捨てにしてた。

尚叶くんが商品だから?在庫だったから知ってるの?

…前から知ってるみたいな言い方だったのは、あたしの考えすぎ…かな?