【完】ある日、恋人を購入した。


そう言えば、そんなこと言われてたな。


その言葉は、もっとゆっくり話したいから、と尚叶くんが言っていたこと。

あたしはその時部屋が散らかってるのを考えずに、頷いてしまった。

っていうかそもそも、明日も逢える?って誘ったのはあたしだし。


あたしはストレッチを中断すると、ふとこの場のリビングを見渡した。



「……」



…夕べ夜中までやっていたテレビゲームに、床に散らかった状態のいろんな機器の充電器。

脱ぎ散らかした服やコートに、棚の上には無造作に漫画やCDなどが置いてあって…。


………とても見せられるような部屋じゃない。

ってか女のコの部屋じゃない、完全に。


あたしはそう思うと、すぐにリビングを片付け始めた。


あー…でも収納スペースがあんまりないし、今は綺麗には片付けられないな。

………寝室にでも押し込んでおくか。明日、尚叶くんにはずっとリビングにいてもらおう。


あたしはそう考えると、服や漫画を腕に抱えて、寝室の隅にとりあえずそれを置いた。

考えてみれば、懐かしい。

有唯くんと付き合っていた頃も、よくこうやって部屋を片付けてたな。


尚叶くんは実際、こんな彼女は引くだろうけど。