【完】ある日、恋人を購入した。


「えっ、」



そう。“商品”のこと。

だって、どう考えてもやっぱ未だに怪しいし。

…シュウさん自身は悪い人ではないけれど。


あたしはそう思いながらも、尚叶くんに言葉を続けて言う。



「尚叶くんはさ、他の会社に勤めながらS.Shopの商品として登録してっ、」



しかし、あたしがそう言っている言葉を、何故か尚叶くんに慌てて遮られた。



「しーっ!」

「…へ?」



しー?


そして、完全に頭の中が?になるあたしに、尚叶くんが小さな声で言った。



「…恋人屋のことは、周りには絶対に内緒なんだよ」

「え、そうなの!?」

「だから、こういう公共の場では言わない方がいい」

「…そう、なんだ」



…あれ?でもシュウさん、そんなこと一言も……忘れてたのかな。

ってか、



「でも…何で?だって、あたし以外にもS.Shopを利用している人なんて、きっといっぱいいるじゃん。別に言ったって平気じゃない?」

「それがダメなんだよ。現に、S.Shopの存在は友香は最近まで全く知らなかったんだろ?」

「まぁ…それはそうだけど…」

「だからそれは、皆がちゃんとルールを守ってる証拠だよ。恋人を買ったとか、この地域で通用はしても他ではそういうわけにいかないし」