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尚叶くんに「待ってて」と言われてから、数分後。
止みそうにない雨の中でしばらく独りでいたら、そのうちにある一台の車が通りかかった。
「…?」
黒くてカッコイイ形の普通車。
だけどまさかそれが、あたしは尚叶くんが運転する車だとは思わなくて。
早く来い、と心の中で急かしていたら…車はあたしの目の前で止まって、助手席のドアが開いた。
「乗って」
「え…えっ!?なおっ…!?」
「早く。車ん中が濡れる」
「…」
……車で来てたのか、尚叶くん。
だったら先にそう言ってくれればいいのに。
あたしはそう思いつつも、そう言われたら素直に車の中に入り助手席に座る。
中は、足元だけ暖房がきいていて暖かい。
…ってか、優しいのか優しくないのかどっちだよ。

