【完】ある日、恋人を購入した。


あたしがそんなことを思いながら突っ立っていると、その間に尚叶くんはどんどん先を行く。

そんな尚叶くんに我に返ったあたしは、「知らない」と言われた以上もうどうにも出来なくて、仕方なくシュウさんに傘を借りようとした。


けど…



「友香!」

「…!」



尚叶くんに背中を向けたその瞬間、あたしはふいに名前を呼ばれた。


……って、呼び捨てか。

トモじゃないんだ。


そう思いながらあたしがその声に振り向くと、尚叶くんが言う。



「ちょっとそこで待ってて」

「え、」

「すぐ来るから」

「え、あっ…ちょっと…!」



尚叶くんはそれだけを言うと、暗闇の中へと消えてしまった…。


…ってか、寒いんだけど。

早く暖かい家に帰りたい。