あたしはそう思うと、また深くため息を吐いて再度携帯を取り出す。
あーあ。オバサンのせいで気分下がるー。
だけど、携帯を見ているうちにそんなことはだんだん薄れていって、
あたしは静かなバスの中でやがて眠りについた───…。
…………
そして、それからどのくらいの時間が経った頃だろうか。
寝ていた目をゆっくり開けると、最初乗っていたお客さんが半分以上減っていて、
次の駅を確認するとそこはもうあたしの目的地だった。
はぁ…ネム。
…あ。有唯くんにメールしなきゃ。
あたしは片手にずっと持っていた携帯を開くと、眠気眼で有唯くん宛にメールを作る。
送信するとそれを閉じて、鞄のポケットに突っ込んで今度は財布を取り出した。
えっとー…
確か2200円…
………って、アレ?

