【完】ある日、恋人を購入した。


…しょうがないよ、と。

申し訳なさそうな顔をしながらも、遅れた理由(言い訳?)を並べる尚叶くん。

まぁ確かに、友達との約束だって大事なんだけどさ。

あたしは小さくため息を吐くと、尚叶くんに言った。


「わかったわかった。理由はちゃんとわかったから」

「え、ほんと?じゃあっ、」

「今!今から罰ゲームね!尚叶くんは今から、5文字以上言葉を発したら駄目!」

「ええーっ!」


だけどあたしは容赦なく、尚叶くんにそう言った。

でも納得がいってなさそうな尚叶くんは、早速不満を言う。


「5文字以内とか…無理だよ」

「あ、何今の。…7文字オーバーなんだけど」

「せめて20文字で!」

「多過ぎ。…10文字!」

「……じゃあ15!」


…罰ゲームする方が設定すんのかい。まぁいいけどさ別に。

あたしは尚叶くんの言葉を聞くと、ため息混じりに言った。


「…いいよ。じゃあ15文字以内ね」

「うん!」

「けど!その代わり、15文字以上喋ったら尚叶くんはその都度あたしにキスしてね」