【おまけ①】



ある日の朝。

カーテンの隙間から漏れる光で、あたしは目が覚めた。

今日は二人とも仕事が休みだから、こうやって尚叶くんのマンションに泊まりに来ている。

夕べは特別甘い展開はなかったものの、だけど尚叶くんは一晩ずっとあたしに腕枕をしてくれていたらしい。

そのせいか、尚叶くんとの距離が近すぎて、目が覚めるなり少しドキッとした。


「…っ、」


尚叶くんは、まだ寝ている。

それはもう気持ち良さそうに。

腕枕って、腕が疲れるんだよね?

それなのにずっとしてくれていた尚叶くんが、ただただ嬉しくて。

あたしはそんな彼に眠気眼のまま微笑むと、ぽすん、とその胸に顔を埋める。

すると…


「…ともか…?」

「!」


その時。

ようやく、尚叶くんが目を覚ました。

その眠たそうな声を聞いて上を向くと、尚叶くんはあたしと同じ眠気眼であたしを見つめている。


「…おはよ」


その顔がなんだか少し可笑しくて、ちょっと笑いながらあたしがそう言うと、尚叶くんが不思議そうに言った。


「おはよ。…どしたの」

「いや、眠そうだなぁって」

「そりゃあね。でも友香だって眠そうだよ」

「尚叶くん程ではないでしょ」