…そう。大丈夫。あたしは大丈夫だから。
あたしはそう思うと、また尚叶くんの手を握って早く良くなるように祈る。
風邪菌なんかに負けないで。
あたしがそう思っていたら、尚叶くんが呟くように言った。
「…ありがと」
尚叶くんは一言そう言ったあと、やがて眠りについた。
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翌日。
昨夜、あれからいつの間にか眠っていたらしいあたしは、カーテンの隙間から漏れている光で目を覚ました。
「…?」
…あまり見慣れない部屋。
だけど、昨日からあたしは尚叶くんのマンションにいると思い出すには、そう時間はかからなくて。
そう言えば、尚叶くんの風邪は…
あたしはそう思うと、尚叶くんのおでこにそっと自分の手を置いた。
…夕べよりも、引いてる。

