【完】ある日、恋人を購入した。


あたしはそう思うと、不安になって尚叶くんの手を両手で包む。

…お願い、早くよくなって。早く…。


そして、泣いている場合じゃないのにこんな時に勝手に涙が流れてくる。



「…っ、」



…だって、尚叶くんがこうなってしまったのは、確実にあたしのせいだ。

昨夜、あたしがもっと素直になって尚叶くんのところに行っていれば、今頃こんなことにはならなかったのに…。



「ごめんね、尚叶くん…ごめん、」



あたしは謝りながら、祈るように尚叶くんの手を握る。

そのうちに、あたしの涙が尚叶くんの布団の上に落ちて…滲んでいく。


でも、




「…ともか、」


「!」



その時…目を瞑ったままの尚叶くんが、小さくあたしの名前を呼んだ。



「尚叶くんっ…なに?どうしたの!?」



何でも言って!


しかし…あたしがそう言いかけると…



「……俺は、大丈夫だから」

「?」

「友香、そろそろ帰れよ」