【完】ある日、恋人を購入した。


シュウさんはあたしを見遣ってそう言うと、その時ふっと薄く笑う。

…なのに、切ない表情。

その笑顔を見た時、あたしはシュウさんが“何か”を抱えている気がして…。


あたしがそんなシュウさんに首を傾げていたら、やがてシュウさんが言った。



「…でも、そうだね。本当はわかってるよ。友香ちゃんがすげー正しいこと言ってんの」

「!」

「俺もそう思う。…いや、“思ってた”。恋って、苦しさがあってこそなんだよね」

「…?」



シュウさんはそう言うと、近くにある椅子に腰かけて背もたれに背中を預ける。

…シュウさん…?

あたしがそんなシュウさんを目で追っていたら…やがてシュウさんが言葉を続けて言った。



「……実は、俺にもいたんだ。学生の時。好きなコが」

「!」

「でも、好きって言えないままどっか遠くに引っ越した。それが今だにすげー悔しくてさ。何で言えなかったんだろうって。だから…もうこんな想いしたくなくて、考えたんだ。S.Shopを」



…恋人屋だったら苦しい思いをしなくて済むし、不安だってないからね。


シュウさんはそう言って、少しうつ向く。

そしてその話を聞いたあたしは、その言葉でやっと理解した。


…ああ、だからシュウさんは、その人への気持ちを紛らわせるために色んな女のコと遊んだり…してたんだ。