【完】ある日、恋人を購入した。


そしてそんなあたしの言葉に、尚叶くんが「ごめん」と呟く。

…正解かよ。


きっと、夕べ一度見た時にいなかったのは、場所を移動してただけなんだ。

あたしはそれに気が付くと、ため息を吐いた。


けど、ため息を吐いた瞬間、尚叶くんが言った。



「…でも、俺は友香に逢いたくて」

「…」

「謝りたかった。このままじゃ、終われないし。それに…」

「…」

「ずっと、友香の気持ちを考えないままで、ごめん。すげー自分勝手で、散々振り回して…。待ってる間、逢えない間に考えてたんだ。俺は…友香を振り回すことしかしてない。いつも困らせてる…今も」



尚叶くんはそう言うと、あたしの後ろでうつ向く。



「だから…これからもう二人でいられないのも、仕方ないって思ってるし、これ以上自分の気持ちを友香に押し付けるつもりもない。ただ…」

「…」

「友香を商品にしたのは本当に謝る。ごめん」



尚叶くんはそこまで言うと、背中を向けたままのあたしにまた深く頭を下げた。

その言葉に、あたしはまた後ろを振り向いて…尚叶くんを見る。



「…尚叶くん、」

「…?」