【完】ある日、恋人を購入した。


あたしはその瞬間すべてを理解すると、



「あ~…」



というよくわからない声を出して、独り頭を抱えた。



「どうしたのトモ」

「…ごめん何でもない何も聞かないで」

「え、気になるよ」



だけどアズサはそう言いつつも、ふと自分の彼氏のことを話しだす。



「…けどね、あたしの彼氏も実はS.Shopで買ったんだ」

「!」

「って、そんなのもう言わなくてもわかっちゃってるか。もう今じゃ皆利用してるもんね」



そう言うと、少し微笑んでまたパスタに手を付ける。

その言葉を聞いて、あたしは思わず唖然とした。



…“皆知ってる”?


あ…なんだ。

じゃあ、最初からすべてを知らなさ過ぎたんだ、あたしは…。

だってあたしは最初、有名だったはずのS.Shopの存在さえ知らなくて、必死に尚叶くんのとのことを秘密にしてたのに…。


あたしはその事実に小さくため息を吐くと、残りのナポリタンを口にした。

…あんまり食欲がわかない…。