【完】ある日、恋人を購入した。


「!」



あたしがそう聞いた途端、物を片付けていたシュウさんの手が、ふいにピタリと止まる。

ドキドキしててうるさいあたしの心臓に…ゆっくりとあたしを見る、シュウさんの目…。


目が合ったその時、あたしは何とも言えない感情に襲われて…

そのうちにその雰囲気に耐えられなくて、「やっぱ何でもないです!」と言おうとしたら、その前にシュウさんが言った。



「本当だよ」

「!」

「なに、みきほから聞いたの?情報早いな~」



シュウさんはいつもと同じような口調でそう言うと、横顔で笑って見せる。

その言葉に、また反応するあたしの心臓…。

ほ、本当なんだ。あたしの相手は…本当の相手は、意外とこんな近くにいたんだ…。


あたしがそう思いながらその場に突っ立っていたら、やがて片づけを全て終えたシュウさんが、言った。



「ビックリした?」

「え、」

「俺と友香ちゃんのこと。…そりゃそうだよね~」



まさかお互いにそうだとは思わないもんね。


シュウさんはそう言うと、店内を後にしようとその場の電気を消そうとする。

…その続きは、言わないんだ。でもその方が、今のあたしには心地が良くて。


パチン、と消えた電気とともに…あたし達はS.Shopの店内を出た…。