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数日後。
あたしが会社を辞めてから、しばらく経った頃。
夜のS.Shopに、見慣れた人物が顔を出した。
「トモちゃん」
「!…みきほさんっ…」
その人物とは、みきほさん。
会社を辞めるときに挨拶はもちろんしていたけれど、あの日からはこうやって会うのは初めてだ。
みきほさんはあたしを心配して来てくれたらしく、あたしの姿を見ると優しく微笑んでくれた。
「あれ、珍しいなみきほ。どうしたんだよ」
「ちょっとシュウは黙っててー」
「(ひどいー)」
みきほさんはそうやって軽くシュウさんを交わすと、カウンター席に座るあたしの隣に腰を下ろす。
あたし自身が商品だと知ってしまってからは、みきほさんからも何度も謝られたけれど…でもあたしが本当にショックを受けているのはそこじゃない。
そしてやがてみきほさんはシュウさんを別室に追い出して、二人きりになったところであたしに言った。
「…トモちゃん、大丈夫?」

