【完】ある日、恋人を購入した。


人の心は、金じゃ買えない。

友達だってそう。金を払って友達になんてなってくれない。

あとは、儚い初恋。

俺のこの奥手な性格だって…そう。

金で買えるなら、もっと恋に対して積極的になれる性格が欲しい。




その時に俺は、あの時バスの中で初めて友香に出会った。


最初の印象は、もちろん最悪だった。

“迷惑な客”。だからなるべく、目も合わせたくないくらい。

周りが引くくらいのワガママ。性格が悪い。おじょーサマ?

これだけ性格が悪い奴も、珍しいな。


なんて。この時までは、そう思っていた。


けど…運命はその後、やってきた。

友香が俺に、突然“お金を貸してほしい”と頼んできたのだ。

…厄介な奴に絡まれた。俺は二千円くらい持ってるけど、こんな奴に貸したくなかった…はずだった。


でも友香は、何故か放っておけない雰囲気で。

“知らない”とか“断る”と言う度に、俺の中で罪悪感も募っていく…。

そして、ようやく目的の駅。俺と友香は、同じ駅で降りるらしい。


俺は気が付けば、運転手に…言っていた。



「すんません、コレ。あのワガママ女の分の金ね」