【完】ある日、恋人を購入した。


「それと、今までのことも全部無かったことにするから」

「!…え、」

「当たり前だろ、違反なんだから。つまり、お前と友香ちゃんの今までのお試し期間とか購入も、最初から無かったことにすんだよ。

あ、もちろん金も返金するよ。お前の口座に振り込んどくから」



シュウはそう言うと…またパソコンを弄って何かをクリックする。


…無かったことに…?

じゃあ、今までの友香との思い出も、全部最初から無かった事になんの…?


“友香ちゃんはもうお前に逢いたくないって…”



「それはっ…」

「…、」



俺はそう思うといてもたってもいられなくなって、思わずシュウの手を止めようとする。


けど…



「尚叶。もう諦めろ」

「!」

「友香ちゃんはもうお前のモノじゃねぇんだよ」



その時、俺はシュウに真剣な表情でそう言われて、これ以上は何も言えなくなった。


だって、友香は最初から…俺のものなんかじゃない…。