【完】ある日、恋人を購入した。


俺はそう言うと、思わずシュウの胸ぐらを掴む。

けど、シュウの表情は全く変わらない。

それどころか、落ち着いた口調で俺に言った。



「でもな、尚叶」

「…?」

「友香ちゃん、悩んでるみたいだったぞ」

「は…」

「言っとくけど、先に友香ちゃんから言ってきたんだからな。“尚叶くんとあたしの相性は、100%もある気がしません”って」

「!」



シュウはそう言うと、力が緩くなった俺の手を、自身の襟元から離す。

そして、言葉を続けて言った。



「そんなこと言われたらさ、本当のこと言わないわけにいかないだろ。

だってお前と友香ちゃんは、もともと100%もないんだから!

本来は、何%かお前わかるか?1%だってさ。笑えるよな、」


「…っ」

「でも、相性が良いっていう先入観だけでここまでこれたんじゃねぇの?それだけでもう十分だろ。

友香ちゃんはもうお前に逢いたくないって言ってたぞ」



だから、返品じゃなくて“失恋手続き”をした。


シュウは、立ち尽くす俺にそう言った。

たった1%の相性…。友香との失恋手続き…。


俺はその言葉に悔しくなって、思わずぎゅっと力拳をつくる。