「!!…つっ、つめたぁあ!」
雪がつもっているおかげでそれがクッションになっているから痛くはないけれど、
その代わり下半身が雪だらけになって、死ぬほど冷たい。
(いや、そもそも雪が積もってなければ転ぶことも無かったんだけど)
あたしが何だかイライラしてきてもうやけくそで座り込んだままでいると、尚叶くんが笑いを堪えるようにして言った。
「だ、大丈夫?」
「…かっ顔が笑ってる。いいよ、思いっきり笑っても!」
「いやいや、ビックリしたって。立てる?」
尚叶くんはそう言うと、あたしに手を差し伸べる。
あたしはその手に掴まると、目の前で転んだことが恥ずかしくて、わざと力を入れてみる。
それでも尚叶くんは、それに動じることなくあたしを支えて…
あたしはようやく立ち上がると、服についた雪を払いながら言った。
「あーもう最悪!尚叶くんにお礼言おうとしたらこんなことになるなんて!」
「…お礼?」
「そう!さっき、女将さんから聞いた。尚叶くん、あたしを楽しませたくていろいろ計画してくれてたんだって?
それなのに、昨日はごめんね。それと、ありが…」
「…?」

