【完】ある日、恋人を購入した。


早く、謝らなきゃ。お礼を言わなきゃ。


あたしはそう思うと、すぐに旅館を出て、車に荷物を乗せている尚叶くんのもとへと走った。



「尚叶くんっ…!」

「?」



あたしが尚叶くんの名前を呼ぶと、その声に尚叶くんがふと顔をあげてあたしを見る。

…けど、少し気まずそうな顔。

でも今のあたしには、そんなことはどうでもよくて。


雪が積もっていることも構わずに、全力で走った。



「尚叶くん、あのっ…」



しかし…




「!?わっ、」

「!」



尚叶くんの目の前まで来たその瞬間…あたしは彼の目の前で足を滑らせて…



思い切り、すっ転んだ。