【完】ある日、恋人を購入した。



…………


それから朝食も食べて、そろそろチェックアウトの時間も近づいてきた。

朝食も凄く美味しかったけれど、尚叶くんとの雰囲気が悪くて、食べづらくも感じてしまった。


出来ればすぐに昨夜の誤解をときたいけれど、なかなか今はその勇気もないし。

ロビーでチェックアウトを済ませると、尚叶くんが車まであたしの荷物を運んでくれた。


そして…

…さ、あたしも出ようかな。


そう思いながら、旅館を出ようとすると…



「今からお帰りですか?」

「?」



その時、旅館の…女将さんらしき人に声をかけられた。

あたしはまさか声をかけられるとは思ってもみなくて、少し驚きながらも…その言葉に笑顔で頷く。



「はい。…あ、すごく楽しかったです。温泉は気持ちよかったし、料理も最高でした、」



そう言って、「また来ますね」と言葉を続けて女将さんに言う。

すると、女将さんはあたしの言葉に嬉しそうな笑みを浮かべて、言った。



「あ、左様でございますか。それは何よりです。では彼氏さんも、安心してらっしゃるでしょうね」

「?」



…え?