【完】ある日、恋人を購入した。


「!…っ」



次の瞬間、尚叶くんがあたしの背中に近づいて、また両腕で抱き寄せてきた。

けど、そんな尚叶くんの行動にすらビックリしたあたしは…



「いやっ…!」

「!」



思わずそう言って、その腕をすぐさま振り払ってしまう。


…あっ、



「あ…ちがっ、」

「…、」



そしてあたしは、すぐにその言葉を撤回しようとするも…時既に遅し。

薄暗くてもわかる。その時目が合った尚叶くんは、凄く悲しい目をしていて…。



「…ごめん」



尚叶くんはあたしから目を逸らすと、うつむき加減でそう言った。


違うんだよ。そうじゃないの。

嫌だったとか、そういうんじゃなくてっ…、