【完】ある日、恋人を購入した。


いつもなら、平気なフリをしたりするあたしなのに。

今はそんな余裕もないくらい…全神経が尚叶くんの手に集中してしまう。


…何でだろ。


布団の中で密着してるからか、緊張感も痛いくらいに伝わってくる。

あたしの心臓の音も、尚叶くんに聞こえてるのかな。


そう思っていると、やがてあたしは尚叶くんに仰向けに寝かされた。



「…!」

「…、」



天井が見えたと思ったら、それを遮るかのようにすぐにあたしの上に尚叶くんが跨ってきた。

その動きも、どこかぎこちない。

明らかに、余裕があまりなくて。その雰囲気のせいか、あたしもつられてしまう…。

部屋の電気は常夜灯になっていて、尚叶くんの顔は逆光でよく見えないけれど…きっと真っ赤になっているに違いない。


…いや、でも、あたしも尚叶くんのことが言えないかな。

もしかしたら、今のあたしは尚叶くん以上に…。


すると、そう考えていたら…


その時、ゆっくり尚叶くんの顔が近づいてきた。



「…ともか…」

「!」



…キス、される…!?