【完】ある日、恋人を購入した。


そう言ってすぐに、あたしがいる布団を捲る。

その言葉に、あたしは少しびっくりして。より一層ドキドキしながら、

いつもの口調で…笑いながら尚叶くんに言った。



「え…え、いや、いいけどさ尚叶くん。どうしちゃったわけ?」

「…、」

「いつもの尚叶くんならさ、顔真っ赤にして“そんなこと絶対出来ない”って言っちゃうタイプじゃ、」



しかし…



「…!!」



尚叶くんがあたしの布団の中に潜ってきたと思ったら、

その瞬間、あたしが言い終わらないうちに尚叶くんが…



後ろから、ぐっとあたしを抱き寄せてきて…言った。



「…っ、」

「…きょ、今日は…大丈夫だって…言った」

「!」

「だから…友香さえ平気なら、あの……」



尚叶くんはそこまで言うと、更に声を小さくして…最後に小さく呟く。



“このまま……だ、だき…たい”



あまりにも小さな声だったけれど、あたしの耳がしっかりとそれを聞き取った。