【完】ある日、恋人を購入した。


「…そ、なんだ」

「う、うんそう!」



あたしはそう言うと、せっかく離した布団を、ぐっとまた近づける。

それを見た尚叶くんは、少し顔を赤くして…あたしに言った。



「な、なんか…すっげぇ近くない?」



そう言って、向かって左の布団の上に腰を下ろす。



「そ、そう…かなぁ?あたしは…」

「や、マジで近……あ、まぁ…このっこのままでもいいけどね」



尚叶くんはそう言うと、手に持っていたスマホを充電するべく、コンセントを差し込む。

その姿を、向かって右の布団の上に座りながら、静かに見つめるあたし。


どきどき どきどき…


…さっきから、緊張がおさまらない…。

あたしはそう思いながら、やがて尚叶くんから目を離して、先に布団の中に潜る。


落ち着け、落ち着けあたしの心臓…。


そう思っていると…



「電気消すよ、」



尚叶くんのその言葉と共に、あたしが返事をする隙もなくそれがフッと消えた…。