【完】ある日、恋人を購入した。


「先に行くね」

「あ、うん」



あたしは緊張しながらそう言うと、平然を装って一足先に寝室に入った。

寝室も、わりと広めで。

たたみ八畳?十畳?…くらいはありそう。


そこには、二つの布団が仲良く横に並べられてあって。

…ちょっと、なんか、近くない?


そう思いながら、あたしは尚叶くんがまだ来ない間にそうっと…

二つの布団を、少しだけ離してみる。

そんな極端には離さずに、ほんの少しだけ。


…あ、でも、もう少し…。


そう思って、また少し離していると…



「…何してんの?」

「!!」



その時、ようやく歯磨きを終えた尚叶くんが、寝室に顔を覗かせた。


わっ!



「いや、な、なんでもないよ!ちょっちょっと布団が離れてたから、近づけてただけ!」