あたしはそう言うと、「まだ他にないの?」と問いかける。
でももう、これ以上はあるわけなくて。
「…もう無い。あとは自分で思い出せ」
神崎くんはそう言うと、一方的に電話を切った。
………ケチ!
そして、繋がらなくなったスマホをテーブルの上に置くと、あたしはさっき神崎くんに言われたことをもう一回思い出してみる。
…大喧嘩の原因って。
駅でイチャついてたって。
あたしと尚叶くんが?
……何で。
すると…
「!」
あたしが一人悶々と考えていると、その時ようやく…
「…あれ、友香早いね」
「え、そう?」
尚叶くんが、戻ってきた。
…あ、浴衣になってる。
やっぱ似合うなぁ。
あたしがそう思いながら尚叶くんを見つめていたら、ふいに尚叶くんが言った。
「…ってか、いま誰かと話してなかった?友香」

