【完】ある日、恋人を購入した。


…………


その後入った温泉は、それぞれの部屋に露天風呂が設けてあるせいか、ほとんど貸切状態だった。

普段はなかなか入れない広い温泉に入って、溜まっていた疲れも一緒に流していく。


…はぁ。気持ちいい。


だけど、そのつかっている間も、気がつけばいつの間にかあたしは尚叶くんのことを考えてしまう。


…尚叶くんは、あたしと一緒にお風呂に入っても大丈夫だと言っていた。(結局入ってないけど)

顔は相変わらず真っ赤でほとんど余裕はなさそうだったけれど、大丈夫ってことは、そのつもりで旅行に誘った…と考えてもきっとおかしくないわけで。


でも、何で?

なんでいきなり…。


その理由を何度考えてみても、やっぱりこの前の飲み会でのことを疑ってしまう。


…尚叶くん、不機嫌になっちゃってたもんな。

もしかして、焦ってる?…って考えていいのかな。


だとしたら、今夜…ってか、今回の旅行は、もしかしたらキス…以上のことも、するかも…?


あたしはそう考えると、なんだか急に恥ずかしくなって…思わず温泉の中に頭ごとブクッ…と潜った。