【完】ある日、恋人を購入した。


あたしはその問いかけに頷くと、尚叶くんに言った。



「ね、尚叶くんこの旅館カラオケもあるんだって!」

「あー、そうみたいだね」

「夜行ってみようよー。尚叶くんの歌声とか聞いてみたーい」



あたしはそう言って、「約束ね」と少し恥ずかしがる尚叶くんに言う。


尚叶くんって、好きな芸能人とかいるのかな?

聞いたことないから、カラオケを機に知りたい。


あたしはそう思いながら、一旦少しだけ興奮が落ち着くと、テーブルの上に置いてあるお茶を飲んで、和菓子を食べる。


あ、美味しい。



「尚叶くんも食べてみなよ、美味しいよコレ」

「あ、うん」



そしてあたしはまたお茶を飲んで、座ったまま部屋の中を見渡す。


…綺麗な部屋だな。和室だからか、凄く落ち着く。


あたしがそう思っていると、尚叶くんが問いかけてきた。



「…温泉旅行とか、友香はどれくらいぶり?」

「んんー、もう十何年くらい行ってないかなー。泊まるならほとんどホテルだったしなぁ」

「そうなんだ、」