【完】ある日、恋人を購入した。






…………


それから、しばらく時間が経った頃。

いつの間にかまた寝てしまっていたあたしは、尚叶くんの声で目を覚ました。



「着いたよ」

「…?」



どれくらい寝ていたんだろうか?

だけど、そんなに長い時間は経っていないと思う。


尚叶くんの声にあたしは目を開けると、寄り掛かっていた背もたれから背中を離して、車の外に目を遣る。



「…おおー。きれー」



尚叶くんが「内緒」と言ってあたしを連れて来た場所は、雪景色が最高に綺麗な旅館だった。

…山の中かな?

周りは森だらけだけど、本当に、たくさん積もっている雪がキレイ…。



「…旅館?」

「うん、」



俺、彼女と温泉旅館とか一回でいいから行ってみたかったんだ。


…なんて、尚叶くん。

かわいいこと言うなぁ。