【完】ある日、恋人を購入した。


合鍵使って。

友香には起きないようにアイマスクとイヤホンもつけて。


尚叶くんはそう言いながら、悪戯にあたしをチラリと見て笑う。


え、連れ出してきたって…!



「なっ……何でよ!そういうこと!?だったら普通に出掛ければいいじゃん、」

「夢がないなぁ。その方が面白いだろ」

「いや、びっくりしたんだよ今!全っ然わけわかんなかったんだからね!」

「…だって、ちょっとしたサプライズがしたかったし」



尚叶くんはあたしにそう言うと、「嫌だった?」なんて問いかけてくる。


…別に、嫌だったわけじゃないけど。

ただ本当に、びっくりしただけで…。



「…あっ。そう言えば、あたしの荷物は?」

「ちゃんと持ってきたよ。玄関にわかりやすくまとめてあったから」



尚叶くんの言葉に、あたしはふいに後部座席に目を遣ってそれを確認する。


…あ、本当だ。持ってきてる。



「……ねぇ、今日どこ行くつもり?」