【完】ある日、恋人を購入した。


だけど、外した途端に目に飛び込んできたのは、どこかの見慣れない街。

狭い空間。

…夕べあたしは、確かにベッドの上で眠っていたはずで…。


あたしはそう思いながら、耳にあてているイヤホンを外した。

…遠くなっていく激しい音楽。


そしていつのまにか車の助手席に座っている?だらけのあたしに、その時隣で尚叶くんの声がした。



「おはよ」

「!?」

「ゆっくり眠れた?」



その声にびっくりして振り向くと、隣には車の運転中の尚叶くんがいて。



「…お、おはよう…?」



あまりにも尚叶くんの様子が自然だから、あたしはてっきり旅行中に寝てしまってたんだっけか…なんて考える。


だけど、違った。

寝ぼけているあたしに、尚叶くんが言った。



「…あ、まだもしかしてこの状況を把握できてない?」

「……うん、」

「今日二人で会う約束してただろ?迎えに行くって言ったけど、寝てるうちに友香をこっそり連れ出してきたの」

「…!!」