あたしは尚叶くんのその声にとりあえず返事をしながら、内心ドキドキで尚叶くんの次の言葉を待つ。


…謝りの電話をするつもりでかけてくれたんだろうか。

そうだったら嬉しいな。


そう思いながら待っていると、その時尚叶くんが言った。



「…この前は急に出てってごめん。飲み会の時」

「…」



謝るなら最初から出て行かないでよ。


尚叶くんのその言葉にあたしは内心そう思いつつも、結局は許してしまう。



「…あ?…あ、あー、飲み会のあの時のことね。いや、いいよいいよ。ってかずいぶん飲んだせいであたし記憶が曖昧だし」

「…そ、っか」

「うん、そうだよ。だから平気」



…甘いのかなあたしは。

でも、神崎くんのことを言わなかったあたしも悪いんだし。


あたしがそう言うと、やがて尚叶くんが言った。



「あ、あのさ……今度の、連休」

「うん?」

「いっぱい荷物用意して待ってて。会お。迎えに行く」