【完】ある日、恋人を購入した。


あたしはそう思いながら、何か他のものが食べたくなって再度メニューを開く。


そういえば………尚叶くん、完全に怒っちゃったのかな。


そう思ってあたしは自分のスマホに目を遣るけど、すぐに視線を逸らした。

今は…電話かける勇気とか、ないな。

出てくれなかったらどうしよう……なんて。


そう思いつつメニューを見て、タコ酢を注文しようとしたら、別のメニューを開きながら神崎くんがあたしに言った。



「あ、トモ」

「?」

「俺、だし巻き卵とたこからとユッケジャンうど、」

「そんなに覚えきれないし」



神崎くんのそんな言葉にあたしがそう言うと、背後から神崎くんの「ケチー」という呟きが聞こえてくる。


この店の注文は、個室に設置してある電話で注文するらしい。

受話器を取ると、あたしは本当に自分が食べたいものだけを注文した。



ってか、トモって呼ばないでよね。

一応これでも先輩なんだし。