【完】ある日、恋人を購入した。


そんなあたしの言葉に、ビールが苦手だとは思っていなかったらしい皆は、一斉に残念そうな声を上げる。

けど、そうは言ったって飲めないものは仕方ない。


っていうか、ねぇ。

みんな、尚叶くんに目がハートマークになってるけど。

君らみんな、一応彼氏いるからね。ね!


そしてあたしと尚叶くんのチューハイと、ついでにから揚げを注文すると、

ふいに時計を見遣ってアズサが言う。



「…ってか神崎くん来ないねー」

「!」

「ああー、そうだね」



そう言うと、まだかなーと店の入り口に目を遣る。

いまあたし達がいるのは、広めの個室。

一番入り口付近に座っているアズサからは、すぐに店の出入り口が見える。


すると、そのアズサ達の言葉に、尚叶くんが言った。



「…神崎くん、って?」



…げ、