【完】ある日、恋人を購入した。


そう言って、右手の人差指で、ぽりぽりと自身の頬を掻く。

…もう、あたしとはなかなか目を合わせない。


せっかくだから“愛してる”ってハッキリ言ってくれればいいのに。


だけどその頷きにもきゃーきゃー言ってる皆を横目に、あたしは尚叶くんに言った。



「尚叶くん飲み物なにがいいー?」

「あ、何でもい…」



しかし、



「じゃあ尚叶くんビール頼む?」

「ぐっと一気に飲んでるトコ、見たみたーい」



皆は尚叶くんの言葉を遮るようにしてそう言うと、さっそく注文しようとする。


ちょちょちょ、ちょっと待って。



「あ、待った待った。尚叶くんビール飲めないの」

「えー!?」

「だからチューハイね?尚叶くんは」