【完】ある日、恋人を購入した。


………え


ふいに、尚叶くんがあたしにそんなことを突然問いかけてきた。

そう聞かれたあたしは、まさかの問いかけにわかりやすく動揺してしまう。



「な…なん、で?」

「だって何か…今日の友香、シュウの香水の匂いがする」

「!!」



そう言われて、一瞬にして頭の中が真っ白になる。

その言葉のあとに、思わず尚叶くんから逸らしてしまうあたしの目。


…バレちゃいけないのに。

きっと、さっきお店で抱きしめられた時や、キスをされた時に香水の香りがついてしまったんだ。


だけどあたしは、必死で平然を装いながら尚叶くんに言った。



「あ…あれ?何でかな~?ははっ…きょ、今日は…S.Shopになんて行ってないのに」

「…」

「あっ、そういえばあたし、香水変えたんだよ!男女両方使えるやつでね、もしかしたらシュウさんと同じものなのかも…!」



あたしはそこまで言うと、いつも通りに笑って見せる。


……マズイ。不自然に見える…のかな?

肝心の尚叶くんがなかなか何も言わない…。