【完】ある日、恋人を購入した。


「…!」



その言葉にあたしが顔を上げると、尚叶くんが自身の体をあたしに向ける。

今の言葉は、一瞬聞き間違いかと思ったけれど…

目が合った時の尚叶くんを見て、あたしは思わずドキッとしてしまう。


…真剣な、表情…。



「…ほんと?」



本当にしてくれるの?


それでも半信半疑でそう聞いたら、尚叶くんが言った。



「今日は、特別な」

「!」

「……目、瞑って」

「…、」



そう言われて、あたしはゆっくりと目を瞑る。


ドキドキ ドキドキ…


少し緊急しながらそれを待っていたら、やがて尚叶くんが近づいて来るのが目を瞑っていてもわかる。


けど、尚叶くんがしたのは…



「……」



おでこに、キス…。