【完】ある日、恋人を購入した。


その体を、何故かすぐに尚叶くんに離される。

しかもその声は、怒っているみたいで。



「…なに」



だけど怒られてしまう理由は、なんとなくわかる。



「なにじゃないだろ。何やってんだよこんなところで」

「…だって、」

「風邪引くだろ。しかもいま何時だと思ってんだよ」

「…?」



尚叶くんのその言葉に、腕時計を見遣ると…時刻は22時。

…30分くらい寝てたんだ。

あたしがそう思っていると、尚叶くんが言う。



「会いたかったのかもしれないけど、もう少し考えて行動しろよ。こんなとこで寝てて誰かに襲われたらどうすんだっつの」

「…」



尚叶はそうあたしを怒りながら、真剣な眼差しをあたしに向ける。

そして、あたしから目を逸らして、「風邪引いても知らないからな」と言いながら玄関の鍵を開ける尚叶くん。


あたしは、そんな尚叶くんの背中を…



「…!」

「……ごめんなさい」

「…」

「ごめんなさい、尚叶くん」



たまらずに、背後から抱き締めた。


心配かけてごめんなさい。と、

シュウさんとキスして、ごめんなさい。