【完】ある日、恋人を購入した。


寒いけど、考えた末にドアの前で尚叶くんを待つことにした。

コートのポケットの中に手をいれて、壁に背中を預けてじっと尚叶くんを待つ。


…もうすぐ帰ってくる頃だと思うんだけどな。


そう思って、とりあえずラインを送ってみる。

“もうお仕事終わった?”と。


でも…










全然、返事が来ないし。


あれから、なんだかんだで。数十分がたった今。

まだ尚叶くんからのラインの返事が無く、時間だけがゆっくりと過ぎて行く。


あー、寒い。


まぁ、今日も会う約束はしてなかったし、仕方ないんだけどさ。

もう21時過ぎたよ。

そろそろ帰って来てもよくない?


そう思って、階段に繋がる通路の向こうに目を遣ってみるけれど…

尚叶くんが現れる様子は、まだない。