【完】ある日、恋人を購入した。


「…っ…」



ようやく外に逃げた時、冷たい夜風が頬を掠めた。

暖房がきいていた店とは違って、外は凄く寒い。


あたしは唇に感じていたそれを手の甲で拭うと、真っ先に尚叶くんのマンションに向かった。


考えるよりも先に、足が尚叶くんのそこに向かっていた。

地面は雪が積もっていて歩きにくいけれど、今はすぐに尚叶くんに逢いたい…。


シュウさんは、どうしてこんなことをしたんだろうか。

本当の気持ちはわからないけれど、早く忘れてしまいたい。

尚叶くんに会って、全部全部忘れたい。



だけど…







その後、いざ尚叶くんのマンションに到着して、インターホンを押してみても…

何の反応も無かった。


あれ、何で?まだ帰ってきてないのかな…。


そして、何度もそれを押してみても結果は同じ。

尚叶くん、早く逢いたいよ…。