【完】ある日、恋人を購入した。


あたしが尚叶くんの言葉にそう言うと、尚叶くんはまたビックリしたような顔をする。

そして、そんなあたしに言った。



「え、見てたの!?」

「うん。あ、たまたまね。たまたま、そんな声が聞こえてきただけだから」

「…~っ」



…何だか、盗み聞きしてたみたいで悪い気もする。

あたしはそう思いつつ「ごめんね」って謝るけど、なかなか尚叶くんの声が聞こえてこない。


もしかして、怒ってる?


そう思ってまた尚叶くんの方を見遣ったら、その時尚叶くんが少し焦るように言った。



「あ、あのさ、違うんだよ友香」

「?」

「あれはさ、あの人はただの同僚で、まぁ普段から仲良いけど…俺は…」

「…」

「俺は、友香のことが……だから」



尚叶くんはそう言うと、あたしが実は怒ってると思ったのかあたしの顔を覗き込む。

だけどその顔は、真っ赤で。


しかも…



「…肝心なとこが聞き取れなかったんだけど」

「!」