【完】ある日、恋人を購入した。


そんなアズサの言葉に、あたしが軽く肘でアズサの横腹をつつくと、

アズサはそれを避けつつそう言って笑う。


オモシロイってね、アナタ。

こっちとしては重大なことなのに。



「あー、でもホントやだ。あたし転職しようかな」

「え、それやめて寂しい」



そしてあたしがコートのポケットの中に手を突っ込みながらそう言うと、アズサにそう言われて止められる。

まぁ、辞めるって実際は口だけで。本当はそんな簡単に辞めるような勇気は無いんだけどね。



「……はぁ、尚叶くんに逢いに行こうかな」

「え、今から?」

「うん。だってまだ19時過ぎたとこだし」

「じゃああたしも行き、」

「ダメ無理却下ー」



あたしは二人きりで尚叶くんに逢いたいのに………それに乗るアズサはきっと興味本位だろう。

だって、「じゃあね」と方向転換するあたしに、アズサが言った。



「ね、今度尚叶くんのこと見せてよ」